ホラー系なので、苦手な人は読まない方が良いです。
悪魔の契約
■古い屋敷
一周忌法要が終わった。参列した二十名ほどの人々の胸に沸き上がるのは、あれからもう一年。もしくは、まだ一年という想い。彼女が亡くなったことを悲しむものはいないが、喜ぶものもいない。故人が強烈なパワーを持ち、一族を先導してきた婦人だったからだ。
帰ろうとする人々に声をかけたのは、彼女の弟である仁一だった。
「お前たちに話しておかなければいけないことがある」
故人とは年の離れた弟であったが、彼も高齢である。一族の長として君臨してもおかしくないが、彼は器ではないとそれをしない。だから、彼のこの呼び掛けは人々にとって珍しいものだった。
「何だい、ジンちゃん」
年の近い甥である陸生が声をかける。気難しい仁一には珍しく、陸生は気の置けない相手だが、仁一は答えようとはせず、気重そうに背を向け、
「全員離れに集まってくれ」
歩きだした。
残った人々は何事だろうとざわめく。離れに立ち入ることなど初めての者も多い。建物が古く、物置がわりに使われているだけで、特に何もない。
ギシギシと嫌な音を立ててきしむ床に怖々しつつ、人々は部屋の中に入る。部屋は広いが、大人が二十人も入れば狭苦しい。ホコリっぽくかび臭い部屋。換気も十分に行われていないことは明らか。この部屋で何をしようというのか。人々の視線は仁一に集まる。
仁一は一族全員が集まったことを確認し、重い口を開く。
「ワシら一族は呪われている」
静まり返る室内。
「ジンちゃん、何を言い出すんだ?」
陸生が無理に明るく声をかけるが、仁一はいかめしい顔を緩めもしない。
「姉さんの女手一つで、うちはここまで栄えてきた。おかしいと思わないか? 何もかもうまく行き過ぎた」
「千代さんに商才があっただけだろ」
「いいや、違う」
仁一はギロりと陸生を見やる。
「姉さんは悪魔と契約を交わしていた。一族の繁栄のかわりに、一族の命を捧げる契約をな」
人々から小さな悲鳴が漏れる。思い当たる節はいくつもある。一族は多産の家系だが、その割に死者は多い。若い世代でさえ、少なくとも兄弟が十人近いという、世間では聞かないほど兄弟の数は多いが、不運な事故や病気で命を落とす者が後を絶たない。
金はあるが、一族の人間は減るばかり。何度も結婚を繰り返し、幾人も子供を作り……している者も多いが、一族は増えない。
「一族の金銭的繁栄を願えば、このままの状態が続く。金銭的な繁栄を捨てれば、不自然な死者はなくなる」
仁一の言葉に、泣き出す女性。一族の中で、子供を失ったことのない女はいない。家族を失う悲しみは、暗い海の底よりまだ深い。
その中で泣いていないのは先日嫁いできたばかりの紗代子だけだ。三十才にもならない若く美しい彼女はまだ、子を失う悲しみを知らない。二十才近くも年上の男に嫁いだのは、男が金を持っていたからだと誰もが口にする。
「ワシは、金銭的な繁栄よりも、これ以上家族を失う悲しみを味わいたくない」
仁一の言葉に皆が頷く。頷かなかったのは紗代子だけだが、壁際の彼女の様子に気づくものはいない。
皆の同意を得て、悪魔へ契約破棄の誓いが行われる。ただ一人、紗代子がそれを行わなかったことに周りのものは気づいていない。
悪魔は部屋の片隅からそれを見つめている。長年慣れ親しんだ、悪魔と人間たちの間にあった絆が薄く弱くなっていく。ただ一つの縁を残して。悪魔はひっそり笑う。千代の後継者が誕生したことに。
それから一年、一族の中に不審な死に方をするものはでなかった。毎年一人、一族の中から死者を出していた彼らは安堵した。やはりあれは呪いのためだったのだと。
呪いが解けはしたものの、商売は順調でそれまで以上に繁栄している。仁一は不審がったが、陸生は顔を合わせる度に考えすぎだと笑い飛ばした。
■邸宅
「紗代子、ビール」
三十才前の彼女は童顔ながらも、可愛いというより美しい。大きなフリルの付いたエプロン姿で台所に立っている。結婚当初は白かったエプロンも、今では小さなシミが付いて取れないが彼女は気にもとめない。
よくとがれた包丁で、ざくりと大根を切る。まな板の上、大根はおとなしく紗代子の手で切られるにまかせている。ざくり、大根を切る。二十才も年上の男と結婚することに、玉の輿だと喜んでいたことが今ではバカバカしく思えてならない。金以外、彼の魅力などない。
「聞こえないのか、紗代子。ビール」
夫である健一は隣のリビングでテレビを見ている。テレビ画面から目を離さないまま、大きな声を上げる。自分は家政婦なんかじゃないと思いながら、冷蔵庫から瓶ビールを取り出し、音を立ててテーブルに置く。
「おい、コッブと栓抜きは? それにツマミくらい一緒に持ってこいよ。気がきかないな」
結婚してようやく一年が経ったところだが、二人の間はすでに冷め切っている。紗代子が子供を産みにくい体だと知ってから、夫は愛人を幾人もつくるようになった。もうすぐ子供が生まれそうな女もいる。こんな男の子供をほしがる愛人たちの狙いは金以外にない。何人、彼の血を引いた子供が生まれてくるのだろう。
紗代子は冷蔵庫から豚肉の大きな塊を取り出し、包丁を突き立てる。大きめに切った大根と豚肉をぐつぐつと和風だしで煮込めば完成だ。
楽しみだと紗代子はうっそり笑う。
それから数日後――掛かってきた携帯を手に、健一は寝室に閉じこもる。かけてきたのは愛人の一人だが、泣きながら要領の得ない言葉を羅列するばかり。何度も「ごめんなさい」と口にしていることで、健一は事態を理解した。また、子が死んだのだ。健一は額に手をやる。身ごもった愛人は二人いたが、一人は流れ、もう一人は無事に生まれたのに死んでしまった。
「なぜだ? 呪いはとけたはずでは……」
健一は携帯を床へ投げ捨てる。何人、子ができた喜びを覚え、何人の子をを失っただろう。これならば深い谷に落とされる方がましだ。声を押し殺し、涙を流す。
紗代子はリビングで声をあげず、笑っていた。携帯がかかってきたと思えば、夫は寝室に閉じこもったきり、出てこない。きっと泣いてでもいるのだろう。
『金銭的な繁栄は一族のものの命と引き換えに』
紗代子は笑う。あのカリスマババアが死んでも、一族の会社は大きく成長している。それは、悪魔との契約があるからだ。夫にはこれからも愛人と子をなしてもらわなければいけない。一族の血を受け継ぐ命はいくつあっても、多過ぎることはない。
不意に電話が鳴る。家に電話が掛かってくることなどあまりない。誰だろうと不審に思いながら、受話器を取り、名乗る。
電話口の相手は沈黙したまま。こちらの声を耳を澄ませている。紗代子は首をかしげ「もしもし」と促す。相手はようやく、重い息を吐き出し、
「君が犯人だろ?」
若い男の声だった。紗代子は答えない。男は一方的に要件を告げ、電話を切った。夫が寝室から現れる。
「今の電話、なんだ?」
「――間違い電話みたい」
「そうか」
ブランデーを手に、夫は再び寝室に戻ってゆく。そのとき紗代子の顔を見ていれば、彼は気づいただろう。だが、寝室のドアをしめた彼にはもう、紗代子の顔を見ることはできなかった。紗代子の悪魔のような笑みを浮かべた顔を見ることは。
■マンション
一人暮らしには広い、3LDKのマンションの一室。仁志は大学に席を置いているものの、この部屋から出かけることはほとんどなかった。一日中、リビングに設置したパソコンの前に座り、デリバリーで空腹を満たす生活を初めて六年近い。
年齢的には既に卒業していてもおかしくなかったが、彼は卒業する予定もないまま大学に在籍している。このまま卒業できなかったとしても、彼の親族が運営する会社で何らかの、名前だけの役職だけを与えられ、今と変わらない生活を送れる予定だ。将来に絶望もないが希望もない。
いつもは足の踏み場もない仁志の部屋だったが、今日は来客予定があるため、簡単ながらも片付けられていた。朝から身繕いをし、珍しくドラッグストアまで買い物にも行った。
予告通りの時間に、チャイムが鳴った。鼓動が高鳴る。緊張したまま、ドアを開けた。地味な色ながらも、クラシカルなデザインのスーツを着た紗代子が立っていた。
「こんにちは」
唇だけを動かし、紗代子は挨拶した。目はまっすぐ、仁志に注がれている。
「お会いするのは大奥様の一周忌以来ですね」
仁志は気恥ずかしげに視線をそらし、彼女を招き入れる。
「あの、奥へどうぞ。……ちょっと散らかってますけど」
紗代子は部屋へあがる。白いパンプスがきれいに揃えられ、玄関に鎮座する。仁志は深呼吸し、お茶を用意するためキッチンへ向かう。
お茶を手にリビングに引き返した仁志だったが、紗代子は立ったままだった。寝室へと続くドアのそばに立ち、窓の外を見つめている。
仁志はどきりとし、慌てて促す。
「こっちへどうぞ、汚いとこですが座ってください」
テーブルにお茶を置く。しかし紗代子はそこから動こうとしない。彼女が来るからと、念入りに掃除機をかけた。部屋にはホコリ一つ落ちていないはずだが、まだ汚いだろうかと不安になる。
「あの、紗代子さん……」
紗代子は仁志に背中を向けたまま、問いかける。
「あの電話、どういう意味です?」
いきなり核心を聞かれるとは思わず、仁志は言葉を探す。
「意味って――別に。ただ、あの時、僕は見てたんです。紗代子さんが契約破棄しなかったところを」
一周忌法要の後、悪魔との契約をきるため、一族の者は皆、契約破棄の誓いを仁一にならって立てた。複雑なものではなかったし、反対者はいなかった。あの時、紗代子の動きを見つめていたのは仁志だけだった。
「見ていたのに今まで黙っていたんですか?」
「……はい」
「どうして今頃になって?」
紗代子が振り向いた。人とは思えないほど美しい顔で。瞳は恐いくらいに澄んでいる。深い深い闇の淵を思わせる、澄んだ瞳。どこまでも深く、のぞき込んだものに不安と恐怖を抱かせる黒。
「あのオッサン――」と、仁志は健一のことを呼ぶ。「愛人に子供が出来たって」
自分のことのように悔しそうな顔をみせる。
健一は仁志の父親だが、仁志と年齢の近い紗代子と結婚した。結婚して一年ほどしか立たないのに、また複数の愛人の手をとった男が許せないらしい。それは若者の潔癖さからくるものなのか、それとも年の近い紗代子への同情からきたものなのか。
「知ってるわ」
紗代子は言い、仁志の隣に座り、お茶を飲む。
「ありがとう、仁志さん優しいのね」
「いや、別に……」
赤くなり、口ごもる仁志に紗代子は微笑む。
「でも、死んじゃったのよ」
「え?」
仁志は紗代子の瞳をのぞき込む。一度のぞき込んでしまっては、そこから瞳から目が離せない。
「あの人の子供。死んでしまったの」
紗代子の声が、頭の中にうつろに響く。聞こえているのに、仁志は何も考えられない。紗代子の美貌だけが頭の中に焼き付けられていく。
「可哀想だわ、健一さん。ずっと泣いてばかりいるの。ねえ、あなたが助けてあげて」
「オヤジを――助ける?」
「そうよ。子供がたくさん生まれれば、健一さんも喜ぶわ」
紗代子が立ち上がり、部屋を後にする。仁志は導かれるように部屋から出て歩き出す。
やはり健一の子だ。女遊びが盛んなことだと、一族の間で口にのぼったのはそれから間もなくしてのことだ。
■古い屋敷
仁一はここ数日、顔をしかめている。この男が笑っている顔を見たことのある者は少ないが、近頃は一層ひどい。誰も近寄れない雰囲気を醸し出している。
「どうしたんだ、ジンちゃんそんな顔して。皆、怖がってるじゃないの」
陸生が座るとすぐに声をあげる。自分が思っていたよりも状況は悪そうだと思いながら。気難しい仁一と、楽天家の陸生。タイプは違うが、年齢が近いこともあり、他のものよりは話をする機会も多い。陸生は仁一の家族に頼まれ、はるばる様子を見にやってきたのだ。
「ムッちゃんか」
家族のものが、いそいそと二人の前に茶と茶菓子を用意して、部屋を去る。仁一は怖い顔をして茶を見つめている。
「今日は天気も良いし、良い事づくめだよ」
「また社の株価が上がったか」
仁一が唸るように言う。
「誰に聞いたの?」
「お前がそんな顔をしているからな、そんなところだろうと思っただけだ」
仁一は用心深く茶をすする。
「で、どうしたの? こないだ言ってた呪いの話?」
「……ああ」
仁一は初めてそこで睦夫を見た。
「聞いたか?」
何のことだと、陸生は首を振る。
「健一の愛人の子が死んだらしい」
「元気だね、ケンちゃんも」
言いながらも不安そうに陸生は茶菓子に手を伸ばす。
「呪いがまだ解けてないってこと?」
「一人は流産、一人は生まれてまもなくということだ」
「へえ」
「仁志も女遊びが盛んになったという話だ」
「それは聞いてるよ。でも、あのケンちゃんの息子だもん、それは仕方ないよ」
「おかしいと思わないか?」
仁一は陸生から視線を外し、庭を見る。
「呪いが解けたはずなのに家は栄えたまま。健一と仁志は女に子を産ませ、その子供たちは死んでいる」
「でも、俺たちは契約解除の儀式をしたよ」
「ああ」
仁一は詰めていた息を吐き出す。
「ワシの思いすごしだろうと思っていた。だがな、それにしてもおかしい。考えてみれば……あの女が静かすぎると思わないか?」
「あの女?」
陸生は茶をゴクリと飲み込む。仁一のいう女がどの女のことなのか思い当たらない。
「金に目がくらんで結婚した女だ」
「――ああ」
睦夫はようやく紗代子のことを思い出す。若くて綺麗な女という印象しかない。結婚当初は金目当てで結婚したと一族の中で口さがなく言われていたが、あれ以降、口にのぼることもない。夫と義理の息子の女遊びが盛んになれば、言いたい愚痴もあるだろうに、誰にも言うこともなく暮らしているのは考えてみれば不自然だ。
「あの女が契約をしているとすれば……」
仁一は握りつぶさんばかりに茶飲みを握り込む。
「でも、あの子も子を失う悲しみは知らないわけじゃないだろう?」
「あの女は子をなしたことはない。できない体だと健一が言っていた」
陸生は息を呑む。
「……じゃあ」
「あの女が自分の手を汚さず、こちらの命を金に変えているんだろう」
部屋に思い沈黙が降り積もる。いやに時計の針の音が大きく響く。
「悪魔――だ」
仁一はごとりと湯呑を机に置く。
■邸宅
紗代子は眠っていた。眠り薬入りの飲み物を土産だと渡し、二人の目の前で飲ませたのだから、眠らないはずはないが、仁一と陸生は不安だった。この女の前に立つと、何もかも見透かされているような気になってくる。
紗代子をベッドへ運ぶ。彼女と悪魔との契約を解除する手段は彼女の意思がなければできないが、彼女はそれをしないだろう。だから、殺すしかない。その結論に陸生はたじろいだが、結局、やることに決めた。これ以上、一族の中から犠牲者を出すわけにはいかない。
事故死に見せかけるため、枕元に飲みかけの睡眠薬のビンを置く。キッチンの目のつかない場所にも薬瓶を隠し置く。健一が知らないところで、以前から紗代子がそれを愛用していたと見せかけるために。
コンロに火をつけ、天ぷらの用意をする。買ってきた食材をシンク回りに置き、健一から拝借してきた携帯でこの家に電話をかける。通話中にし、寝室の紗代子の近くへ受話器を置く。熱感知センサーによる警告音がキッチンで激しく鳴り響いるが、防音効果の高いこの家では役に立たない。扉一枚隔てるだけで、音はほとんど聞こえなくなる。二人は計画してきた一通りをやり終える。携帯を切るのは、この家からしばらく離れてからだ。
天ぷらを作ろうとして、夫の携帯から電話がかかり、話に夢中になって料理途中なのを忘れてしまった――という筋書き。誰もが事故死だと思うだろう。電話の相手を詮索したところで、健一の愛人は何人もいる。その中の誰かが健一の携帯をくすねたとしても、調べきることんどできないだろう。
紗代子の夫である健一と義理の息子である仁志の女遊びの激しさは誰もが知っている。それによるストレスで睡眠薬を多用する……よくある話だ。誰もそこに違和感はもたないだろう。
家を後にしようとした仁一と陸生だったが、
「紗代子さん」
玄関で仁志と鉢合わせになってしまった。
「お前、どうしてここに」
「紗代子さん?」
仁志は二人を気にする様子もなく、奥へ声をかける。ダイニングが燃え上がる。
「紗代子さん! お前ら、紗代子さんに何したんだ」
睨み付ける目に正気はない。魅入られたものの目。仁一は手近にあった花瓶で仁志の後頭部を打ち付ける。
「ジンちゃん!」
「ムッちゃん。こいつはもうダメだ。あの女に取り込まれている」
仁一は自分の手の中のものをみやる。ガラス製の重い花瓶。あの女との結婚祝いにと、亡くなった姉が健一に買ってやったものだ。
『あんな女と結婚したがるとは、健一の育て方を間違えたね』
そう苦々しく言った姉の顔をしみじみ思い出す。同族嫌悪だと笑っていられた頃が懐かしい。若い頃の姉はあの女に似ていた。だからこそ、悪魔と契約などかわせたのだろう。
「ジンちゃん、どうするの? これじゃどう見ても犯罪だよ」
「共に葬ってやる。陸生、仁志を寝室に運ぶのを手伝え」
紗代子と同じベッドへ仁志を寝かせる。キッチンの炎はまだここまで届いていない。仁志を殴りつけた花瓶はかけもせず、血と髪の毛が張り付いている。それを紗代子の近くへ転がす。不自然だが、警察がうまいこと説明をつけてくれるはずだ。これ以上、一族から犠牲者を出したくない。人の命を金にかえるわけにはいかない。
時刻はすでに夕方前。燃えるような夕日があたりを照らしている。燃える邸宅に人々はいつ、気づくだろう、仁一は振り返り見やる。もう遅い。あの二人は助からない。不安を飲み込み、二人は歩を早める。
燃え盛る炎の中、紗代子は目を開く。ゆっくり、体を起こす。全て見通していたとばかり、彼女は笑う。炎はチラリとも彼女の皮膚を舐めはしない。炎に巻かれ、悶絶する仁志を、紗代子は笑いながら見つめる。一族の者の悲鳴は彼女にとって、心地いい子守唄だ。
「契約はまだ続いている」
一族のものの死は、喜び。悪魔に魅入られ、悪魔となってしまった彼女は邪気のない顔で微笑む。それは人が見惚れてしまう、美しい美しい横顔だった。
2011/10/11
めっさ綺麗だったよ、紗代子さまが。
夢はパラレルワールドの出来事、とかいう説もあるそうで。
ってことは、こういうドラマっぽい夢はパラレルワールドで私が見たドラマだか映画だかで、めっさ面白かった!ってのを夢に見ているってことなのかしらん? ホラー中心なのは、パラレルワールドの私もホラー好きってことですかねえ。