空に、世界に。

no.08 〔01/09/11〕

昔々、地上には、昼と夜の境目などありませんでした。
それは、”昼”と”夜”がとても仲むつまじい夫婦だったからです。
でもある日、”夜”は”昼”に言いました。
「私はあなたのように眩しい御方のお側にいると、自分の醜さを思い知らされます」
”昼”は慌てて夜に言いました。
「私の方こそ、あなたのような静寂と神秘に満ちた御方には相応しくないと思ってしまうのですよ」
それでも”夜”は首を振り、
「私はあなたにお別れを。これ以上あなたのお側にいられません。これ以上お側にいれば、自分が惨めなことを知るだけです」
「どうしてですか? 私の方こそあなたの美しさにはかなわないのに……」
”昼”がしゃべり終わらないうちに、”夜”は駆け出しました。
”昼”は”夜”を追いかけます。
”夜”は”昼”がいない土地へと逃げます。
やがて、今のように一日が昼と夜に分かれてしまったのです。
“昼“は”夜”を探し出そうと、地上を眩しく照らします。
”夜”は”昼”がいなくなってしまうまで、出てこようはしません。
二人は今でも追いかけっこをしているのです。


no.07 〔01/07/13〕

花は
太陽ほのおの輝きと 
地球だいちの歌声によって出来ているという

鳥は
オリーブを求めて
飛んでいるという

七色にじの光は 
地球ほしの息吹と
太陽ははのほほえみと
偶然かみの産物だという


no.06 〔03/06/18〕

淡くの輝くその石を
魔性の石と申します

一目見ればその石の
中に輝く炎を見、

二目見ればその石の
星のきらめきを見るでしょう

三目見たものはおりませぬ。

三目見たものはその石の
とりこになってしまいます


no.05 〔04/03/23〕

地球のかけら
一つ手にとり
川面にすぃっと投げ込んで
七つ波紋が広がって
引き合うように底へと沈む
何度投げても同じこと
それでも私は繰り返す
最後の最後、一番最後
天へ向かって跳ね上がる
そんな石があると聞き


no.04 〔04/03/23〕

世界は丸く輪を描く
リング、螺旋、くるくる回って
周りまわって、戻ってくる
いつか必ず戻ってくる
あなたはここに
私もここに


no.03 〔04/03/23〕

遠くに光る星ひとつ
すぅっと流れてどこかに落ちた
この空すべての星が落ちたら
私のもとへも落ちてくるかな?


no.02 〔04/03/23〕

夢は大気へ染み込み
地球ほしを巡り
やがて 世界へと広がってゆく
優しく 全てを包み込んでゆく


no.01 〔04/03/23〕

宇宙へと放出される夢たちは
何光年も 何万光年もかけて宇宙を巡り
遠い 未来の子供たちを 暖かく抱きしめるだろう
遠い 未来の子供たちに 優しく微笑みかけるだろう

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