想い、秘密、歓喜

no.10 〔2009/04/14〕

愛しているという言葉より
そっと
背中からあなたを抱きしめる隙が欲しい

あなたの言葉はあまりに陳腐で
マニュアル的で
嘘くさくて
シンジラレナイ

あなたは何も言わないで
そっと
私の腕にただ触れて、握り返して

あなたの言葉があまりに陳腐で
嘘くさくて
マニュアル的で
シンジラレナイから


no.09 〔2008/03/01〕

ひらり はらり 舞う桜(はな)に
君の姿を重ね 合わせ
ふわり はらり 舞う花びらに
君の姿を想い 泣く
隣にいない 温もりもない
声も聞けない 届かない
花の季節が 終わる頃
僕は 一人 思い出を視(み)る


no.08 〔04/03/23〕

ゆらゆら
揺らめく光に見せられて
あたしはそっと ガラスをなでる

「綺麗ね」
「そう?」
「綺麗だよ 赤 青 緑」
「ネオンテトラ」
「ねおんてとら?」
「街のネオンみたいでしょ? だからネオンテトラ」

ゆらゆら
揺らめく光に見せられて
あたしはそっと ガラスをなでる

「これ、すごく綺麗」
「飼わないよ」
「どうして?」
「死んだら君、泣くでしょ?」

ゆらゆら
揺らめく光に見せられて
あたしはそっと ガラスをなでた


no.07 〔04/03/23〕

まるで真昼の月のよう

気づかなかった 貴方の優しさ
気づけなかった 貴方の存在

まるで真昼の月のよう

貴方の姿が見えなくて
あたしは貴方の姿を探す

まるで真昼の月のよう

あなたのことを知ってから、
闇に浮かぶ月よりも 好き


no.06 〔04/03/23〕

僕が君に将来の夢を語ったとき、
君は眼をまぶしそうに細めて、微笑んだ。

君は言った。
あなたは変わってる、
そのことをわかってる分、変わってる、と。

僕が僕の好きなものについて語ったとき、
君は遠くを見ていて、
ただ一言、気のなさそうな返事を返した。

君は言った。
こんなに近くに生まれなければ、
一生掛かっても話をすることはなかったよ、と。

僕が君への想いを語ったとき、
君は不思議そうな顔をして、
僕の顔をじっと見つめた。


no.05 〔04/03/23〕

あなたのそばを通り過ぎる
ただそれだけで
私の心は舞い上がる

あなたの笑顔がふっと目に入る
ただそれだけで
私の心は喜びに溢れる

あなたの声がかすかに聞こえる
ただそれだけで
私の心は満たされる

あなたに恋をしていること
誰にも教えない
あなたにも
ただあなたがいるだけで
私は幸せなのだから


no.04 〔04/03/23〕

冷たい風は びゅっと吹く
私の手の中 抜け出して
風にからから 追い立てられて
あっという間に 見えなくなった

優しい風は 穏かに
私の髪を 巻き上げて
ふわりふわりと 走り抜け
あなたの元へ 導いた

やがて風は そよそよと
私を包んで 吹き抜ける


no.03 〔04/03/23〕

歪みの元はあなたの一言
歪みの元はあなたの態度
あなたがそこに居るだけで
どこかが歪み、どこかが狂う
だけれどそれは素敵な歪み


no.02 〔04/03/23〕

いつだって
あなたは私の想いなど気づきもせず
私を深く傷つけてゆく

その微笑えみ
その語りこえ
私は愛しさをつのらせる

あなたは気づきもしないけど


no.01 〔04/03/23〕

好きっていうのは、あなたの存在が私に必要だってこと。
愛してるっていうのは、あなたの存在が
私が生きる一部になってるってこと

ねぇ ちゃんとわかってくれてる?

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