ほたる

ほたるはね、
人の魂を運んでいるの
だからね、
ふわふわ  ふわふわ
   ふわふわ  ふわふわ
漂うようにくうを飛ぶの

幼い私の耳に響く祖母の声

だから ほたるはね、
だぁれもいなくなったら、
すぅっと黒い衣を脱いで、
天へ上っていくの

幼い我が児の耳へ響く、私の声

ほたるはね、
人の魂を食べているの
だからね、
ちかちか
  ちかちか
またたくように光るのよ

幼い耳に響く祖母の声

だから、ほたるはね、
誰かと一緒に見なきゃいけないの
独りで見てたら、
魂を食べられてしまうから

幼い我が児の耳に響く、私の声

今年もほたるが飛んでいる

01/06/04

〔04/03/23〕修正。

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