駆け落ち

 不安だった。
 いくら呼んでも誰も来てくれない。出ようにも、私にはそこは深すぎて出られない。
 不安で、不安で……
「おねぇちゃーん」
 何度も一緒に遊んでいた姉を呼ぶ。
 私の頭より高い場所にある出口。
 もうちょっとで、あとちょっとで出られそうなのに……
「おねぇちゃん……」
 私は座り込み、泣き出した。不安で、不安で……。
「リエちゃん、大丈夫?」
 男の子の声。
 人見知りな私だったが、そのときは違った。太陽が真上にあるため彼の顔は陰になり、見えなかったが、何となく安心した。
 助けにきてくれたことが無性に嬉しかった。

 ――オッキロ、ネボスケ
 ――アッサ、アッサ、アサダゾー

 六時だ。
 私は手をのばし、枕もとの目覚ましを止める。誕生祝いにもらった、九官鳥の形をした目覚し時計。
 起き上がり、ぼうっとした頭でさっきまで見ていた夢のことを考える。
 久々にみる夢だった。小さな頃、土管置き場で遊んでいた私は誤って、縦に置かれたその一つの中に落ちてしまった。土管は私よりも高いけれど、何とか指先を淵にかけることが出来る。だけれど、その中から出ることが出来ず、私は不安で泣いていた。そのとき、私を助けてくれた男の子がいた。私は安心感から泣きつづけた。だから、男の子の顔を見ていない。
 彼は私を背負って家まで送ってくれ、泥だらけ、擦り傷だらけの私は家でたっぷり叱られた。あそこで遊んじゃいけない、と。私は二度と姉の後について遊ぼうとはしなかった。いつの間にか、その男の子はいなくなってしまった。
 私はその時の夢を今でも時々見る。不安なときに。
 
 
第一章:九月十九日
相田 沙代子 ― Sayoko Aida ―

 ほら、クラスに一人くらいはいたじゃない。何考えてるかわからない、変な人。
 私が高校三年のときのクラスにも一人いた。一人だけいつまでたってもクラスに馴染めていないって感じで、いつも独りぼっちでいることを気にもしていなかった。
 一人で本を読んでて、一人で昼食食べて、一人で……いつも一人で……。
 でも、それを気にしてない。苦にもしてない。一人なのに、なんだか楽しそうに、幸福そうにしてる。北沢里枝はそういう人間だった。
 駅前のファミレスに友人のアキと一緒に入ったとき、窓際に座ってた空色のワンピースの女性が彼女だと気づいた。数年ぶりなのに、高校の頃とあまり変わってない。
 私はシフォンケーキとドリンクバーを頼み、一方的にしゃべる友人の橘亜紀子――アキに相槌を打ちつつ、何となく彼女を見てた。高校の頃と同じように、彼女のことを目の端で観察してた。
 彼女はたぶん、待ち合わせをしてるんだろう。目の前にはコーヒーカップが一つ。文庫の小説を広げて、熱心に読んでいる。
 彼女はふいにバックから携帯を取り出し、耳に当てる。最初は不機嫌そうに話していただけだったのに、
「いい加減にしてよ! 結婚式まで後五日なのよ!」
 窓が震えるほどの大声。
 店内にいる全ての人が彼女に顔を向ける。彼女は居ずらそうに声を潜める。
「あれ、北沢……さんだよね?」
 アキの声に、私は彼女から視線を戻し、いつの間にか運ばれて来ていた、目の前のシフォンケーキを見る。
「サヨコ、聞いてる?」
「うん」
 私は返事をし、白いメレンゲの上から、指でミントの葉を取り上げ、口の中に入れる。……ミント独特の爽やかな青みが口の中に広がる。
「結婚式、って言ってたよね?」
 アキは私に話し掛ける。
「北沢さん、結婚するのかなぁ?」
 パッションフルーツのパフェをかき混ぜながらアキは目を輝かせる。
「あの北沢さんが結婚するんだぁ♪」
 勝手に決め付け、携帯を取り出し電話をし始める。昔っからこういう性格だった。
 私は目の前のシフォンケーキを食べながら、何となく、北沢さんを見た。
 
 
北沢 里枝 ― Rie Kitazawa ―

 ふざけるのもいい加減にしてほしい。姉の麻里は昔からのー天気で、いい加減で、自分本意な――ようするにわがままな人間だった。
 大学を中退し、十九歳で駆け落ちの末、出来ちゃった結婚などやってくれた日には、両親の怒りは頂点に達したのだが、孫が生まれれば現金なもので、「俺の目の黒いうちは、お前のような馬鹿娘、絶対に家の敷居をまたがせん!」なんて激昂してた両親は、良いお爺ちゃん、お婆ちゃんに成り下がっていた。
 馬鹿な子ほど可愛いというが、二人とも、昔から姉に甘いのだ。
 姉が結婚して四年。姉は子供の面倒を見てもらうためと、ぐーたら過ごすために実家にいりびたっていた。
 お酒をぐいぐい飲みながらぼけーっとTVを見ていた姉は、どこぞのCMを見ていて、ふと、
「ウェデングドレス姿を父さんにも母さんにも見せてあげてないのが、とっても残念だわ……」
 らしくないセリフを口にした。もちろん、私から見ればそれはお酒が入っていたからだとしか思えなかったのだが、両親にしてみれば違ったらしい。
 親不孝娘だと思っていた娘が、心の底で親孝行できないことを悔やんでいると受け取ったらしく、両親の手によってとんとん拍子に式の日取りは決まっていった。
 姉は、最初は嬉しげに参加していたのだけれど、途中からだるそうな様子を見せ始め、なにかと理由をつけて結婚式の準備から逃げた。
 途中から「リエはサイズ一緒だし、おかしな感性してないし」なんて理由で、姉の結婚式のはずなのに、まるで私が花嫁のように、結婚式の準備に駆り立てられていた。

「ちょっと話があるんだけど」
 姉が電話してきたのは、結婚式まで後五日を数える日の昼も過ぎた頃だった。
「今から駅前のファミレスに出てこられる?」
 他人の都合なんて全く気にしない人が、そんなふうに尋ねてきた時点で私も気づくべきだった。
 だけど、姉も結婚するんだから性根を入れ替えたはずだと思っていたので、指定された場所へのこのこ出かけていった。
 ファミレスについて三十分待ったが、姉は来なかった。その時点でも気づくべきだった。姉は何も変わっていない、相変わらずだということに。
 いい加減腹立たしくなってきた頃、携帯が鳴り出し、私は慌てて電話に出る。
「あ、リエ?」
 のー天気な姉の声。
 私を待たせておいて……。
「あのさ、悪いけど……父さんと母さんに結婚式の話は無しって言っといてくれる?」
 一瞬、何を言っているのか理解できなかった。
「待って、それどういうこと?」
「……駆け落ちしちゃった☆」
 かわい子ぶった声。
 言葉が出なかった。
「あのね、春史っていうんだけどね、めっちゃカッコ良くって、私のこと大事にしてくれるのよぉ」
 のろけはいらない。
 けれども受話器からはハルフミだとかいう人ののろけ話が続いていた。
「いい加減にしてよ! 結婚式まで後五日なのよ!」
 思わず声が大きくなる。
 周囲の人々がギョッとした顔でこちらを振り向く。私は声を落とした。
「わかってると思うけど、お姉ちゃんの結婚式、お父さんが知り合いの人に頼んで無理矢理組み上げてんのよ! いまさらやめるなんて出来るわけないでしょ!」
「いや、だって……勝手に結婚式組んだんでしょ? 私は悪くないわ。とにかく、私は春史と暮らすから」
 ガチャリと電話は切れた。
 ……やめるなんて出来るわけがない。父が知り合いの結婚式場の人に無理矢理頼み込んで予定を入れてもらったのだ。しかも、喜び勇んだ父と母は商店街中に話をして廻っている。いまさら、やめるわけにはいかない。
 父と母に何と伝えるべきか……。思い悩んだ挙句、私は率直に伝えた。父は顔色をなくし、母は倒れた。


第二章:九月二十日
田村 靖久 ― Yasuhisa Tamura ―

 悠斗とは兄弟同然に育った。共働きの両親を持つ、一人っ子の悠斗は、いつでも僕のうちに入り浸っていた。三歳年上の姉と、二歳年上の兄。そして僕。家の中はいつでも騒がしかった。だから、そこに悠斗一人くらい増えても何も問題はなかった。
 小さな頃は、昼は喫茶店を営んでいる母が作り置きしてくれてる昼食を食べ、四人で日が暮れるまで遊んでいた。
 そんな悠斗とも高校に進学する頃には付き合いがなくなった。違う高校に進学したこともあったが、なんとなく、付き合いづらい雰囲気を悠斗は身にまとうようになっていた。
 悠斗の両親が離婚したことを聞いたのは、それから二年ほどしてだった。悠斗は母親に引き取られ、引っ越していった。どこへ行ったのか、僕は知らなかった。
 僕は母のやっている喫茶店を手伝いつつ、大学に通っている。母の喫茶店はあまり大きくなく、お昼時に混むくらいで、お客もそれほど多くない。母の趣味でやっているような店だった。
 その日も客がいなくなり、店内の掃除をだらだらしていた。

――リーン リーン

 古い黒電話の音。
 懐古趣味の母の一品だ。
「靖久出て」
 コーヒーを飲みながら新聞を読んでいる母が、顔も上げず言う。
 僕はテーブルをふいていた手を止め、受話器に手をかけた。
「はい、喫茶ヒマワリです」
「靖久?」
 誰だかわからず、僕は戸惑った。
「どなたですか?」
「俺。悠斗だけど……」
「あぁ、ごめん。久しぶりだな」
 悠斗としゃべるのは五年ぶりくらいだった。いや、挨拶ではなく、まともにしゃべるのは七・八年ぶりくらいになるかもしれない。
「……あのさ、頼み事があるんだけど」
 悠斗は何か急いでいるようだった。
「なんだ?」
 僕は気軽に対応した。悠斗は昔っからこういうやつだったから。
「結婚……する気ないか?」
 言葉の意味をつかみかねた。
「なんなんだ?」
「いや、ちょっとな。お前さぁ、北沢麻里知ってるだろ?」
 そう言われ、しばし考えた。名前を聞いたことはある。同級生の一人……だったと思う。
「結婚する気ない?」
「は?」
「いや、だから麻里と結婚する気ないか?」
「言ってる意味がわからないんだが……」
 誰だって戸惑うだろう。
 思い出そうとするが、北沢麻里の顔は霞みがかっているかのように思い出せなかった。だが、ひたすら流行を追いかけているようなタイプの女だった気がする。
「お前しか頼れないんだよ。麻里と結婚してくれ」
 昔と変わらない頼み込む時の独特の口調。
「そんなこと頼まれてもだな。なんなんだ、一体?」
 ふと顔を上げると、母と目が合った。新聞を読むのを止め、興味深げにこちらをみている。
 僕は母から遠ざかり、挿話口を抱え込む。
「詳しく説明したら、麻里と結婚してくれるか?」
 悠斗は無茶を言う。
「いや、あのな――」
「頼れるのは靖久だけなんだよ」
 話を聞く気などなかったのに、悠斗は話し始めた。話を半分聞いただけで僕は頭が痛くなった。
「それで、何で僕が北沢さんと結婚しなくちゃならないんだ?」
「いや、式だけでいいんだよ」
 悠斗は受話器越しにへらへら笑う。
「俺さ、駆け落ちしたんだ」
「は?」
「玲子っていうんだけど、めちゃくちゃ美人なんだよ」
「……」
「ホステスしててさ、俺より年上なんだけどさ、可愛いとこあるんだよ」
「……つまり、北沢さんと結婚する予定だったのに、駆け落ちしたのか?」
 僕の言葉に、悠斗は不満そうな声を出す。
「仕方ないだろ? あっちの親が勝手に決めたんだから」
「それじゃ責任が――」
「俺の話聞いたんだから、麻里と結婚しろよ! じゃあな!」
 電話は叩きつけられるように切れた。僕は唖然と立ち尽くす。
 どうしようかと考えるが、どうしたらいいのかわからない。まずは、北沢さんに電話で悠斗の駆け落ちを知らせなくてはならないと気づいたのは夜もふけた頃だった。
 
 
第三章:九月二十一日
田村 靖久 ― Yasuhisa Tamura ―

 翌日。僕は意をけっして北沢さんのうちに電話をかけた。
 昨晩三時間かけて探し出した、高校の卒業アルバムで電話番号を確認して。
「はい、八百屋・北沢です」
 若い女性の声。アルバムの写真で北沢さんを確認はしていたが、声は覚えていない。だが、若い女性の声だから、北沢麻里本人だろう。
 何と切り出したものか……僕が考え込んでいると、若い女性は慌てた様子で声を上げる。
「お姉ちゃん!? お姉ちゃんなの?」
「あ、えっと……」
 女性の迫力に、僕は声を詰まらせる。
「あ、あの、北沢――麻里さん……ですか?」
「……姉のお知り合いの方ですか? どなたです?」
 女性は不信げな声色で尋ねる。北沢麻里を姉ということは、彼女の妹らしい。
 なんとなくホッとしたような、嫌なことが伸びてしまったような……。
「え、いや……あの、えっと、僕は田村です。悠斗の友人で、田村靖久といいます」
「私は麻里の妹の里枝です。あの、悠斗さんに連絡を取りたいんですが、連絡先を教えていただけませんか?」
 里枝の言葉に靖人は言葉を詰まらせる。
 知っていれば何度でも掛けなおし、悠斗にこのことを考え直させる。だけれど、卒業アルバムに載っていた悠斗の電話はもう使われていなかったし、今の悠斗の電話番号も知らない。黒電話だったから相手の電話番号もわからない。
 母の懐古趣味を腹立たしく思ったのは初めてだった。
「あの、もしもし?」
 里枝が不安げに声を上げる。ここは、はっきりと言ったほうが良いかもしれない。
「申し訳ありません!」
 思い切り頭を下げる。
「あの、いったい何ですか……?」
 妹さんは戸惑った声を上げる。
「あの、ですから、駆け落ち――」
「あぁ! でも、なぜ謝られるんですか? こちらが謝らなければならないのに……」
「………………」
「………………」
 互いの間に長い長い沈黙の時が降りた。
「待ってください。頭の中を整理させてください」
 靖久は混乱した声を上げる。
「あぁ、はい。どうぞご自由に……」
 相手も混乱した声。
「悠斗が駆け落ちしたことはご存知……ですよね?」
 僕の言葉に、妹さんは一瞬言葉を詰まらせたが、はっきりと否定した。
「お話から察するに……麻里さんも駆け落ちされたんですか?」
「……はい」
「つまり……」
 靖久は言葉を詰まらせる。
 花婿も花嫁もいない――
 互いにかける言葉もなく、二人は黙り込んだ。
 最初に沈黙を破ったのは里枝だった。
「あの、田村さん?」
「あ、はい」
 靖久は慌てて返事を返す。
「あの、電話ではなんですのでお会いしてお話できませんでしょうか」
「あぁ、はい。そう出来れば……じゃあ、三時くらいに駅前のファミレスで。僕は青のシャツ着て行きますから」
「はい。じゃあ、私は白のワンピースを着ていきます」
「……わかりました」
 静かに電話を置いた。
 溜息をつき、今の会話を頭の中で整理しようとしたが……もう一度溜息をつく。
 とりあえず、麻里の妹だという『北沢里枝』さんと会うしかないようだ。
 僕は母に用事が出来たからと、店を抜け出した。客が来る昼時も終っていたから僕が抜けても何ら問題なかった。


北沢 里枝 ― Rie Kitazawa ―
 午後三時過ぎ、指定されたファミレスに到着する。寝込んでいる母に、気づかれないように家を出るのにずいぶん時間がかかってしまった。
 姉からの連絡がないものか、私の行動を目を皿のようにして観察しているものだから、さっきの靖久さんからの電話について細かに聞かれた。けれど、あまり詳しく話すわけにも行かない。希望をもたせて、崖から突き落とすのは酷過ぎる。母に適当に言い訳しつつ、なだめすかし、家を出たのは電話から五十分もたってからだった。
 約束した時間よりもかなり遅れてしまった。まだいてくれることを願いつつファミレスに入ると、窓際の席で、青いポロシャツを着てコーヒーを啜っている男性と目が会った。彼はすぐに席を立ち上がり、深々と頭を下げる。私も彼に頭を下げ、席につく。
 カフェオレを頼み、ウエイトレスが離れていったのを見届けると、彼は、
「始めまして。悠斗の友人で、田村靖久といいます。お姉さんとも同級です」
 また頭を下げるので、こちらも頭を下げる。
「あ、私は麻里の妹で、里枝といいます。何からお話すればいいのか……」
 真実を伝えなければならないのだが、言葉にするとあまりにも嘘っぽすぎる現実で……。
 互いに言葉を詰まらせる。
 運ばれてきたカフェオレを一口啜り、
「あの、悠斗さんが駆け落ちしたって言うのは本当なんですか?」
 靖久の目をまっすぐに見つめる。
 言いにくそうに靖久は言葉を濁しかけたが、
「……昨日、電話がありまして――女性と、駆け落ちするからと……」
 その言葉に里枝はあきれ返る。夫婦で同じようなことをしていたのかと。
 靖久は言いにくそうに声を出す。
「あの、北沢さん……麻里さんは?」
「姉は……どこで出会ったのかわからないんですが、ハルフミという男性と駆け落ちすると、二日前、電話がありまして……あの、悠斗さんに連絡しようとしたんですが、こちらは連絡先をうかがっていなかったものですから、何も出来なくて……」
「あ、いや……」
 互いに言葉につまり、お互いに飲み物を啜る。どのくらい時が経ったのか、
「……あの、北沢さん」
 靖人の声に里枝はハッとわれに返る。
「あ、すいません」
「あぁ、いえ……」
 靖人は気弱に笑いながらカップの中身を飲もうとし、腕を下ろす。里枝もカフェオレを飲もうとして中身がないのに気づく。腕時計を見ると四時過ぎ。里枝が店に来てから一時間近くも経過している。
「店、出ましょうか」
 靖人の言葉に里枝はただ頷いた。

 二人で近くにある、大きな公園をぶらぶら歩く。
「二人を探し出せないものでしょうか」
 靖人がポツリと呟く。
「無理でしょう。連れ戻してみても、二人はもう結婚する意志はもうないと思いますし……」
 里枝が答える。
「どうしたらいいんですかねぇ……」
 靖人は溜息混じりに声を上げる。里枝もため息をつくしかない。
 互いに話す言葉もなく、ぶらぶらと大きな池を一周する。
 いつの間にやら沈んでゆく夕日を横目で眺め、どちらともなくベンチに腰掛け、自動販売機で買った缶ジュースを口にする。
「悠斗たち、どんな式をすることになってたんですか?」
 靖久の言葉の言葉に里枝は我にかえる。
「あ、えっと……」
 いつも持ち歩いているショルダーバックの中からパンフレットを取り出す。
「両親が張り切ってしまって……」
 照れながら姉が着るはずだったウエディングドレスの写真や、教会などを見せる。
「立派な式なんですね」
 しみじみとした靖人の言葉に、里枝も悲しげに頷く。
「あ、でも、内輪だけの簡単なものなんですけどね……」
 互いに言葉もなくじっとジュースを飲んでいたが、
「もう、こんな時間ですね」
 靖久の言葉に腕時計を見ると、六時をまわっている。
「あの、これ、僕の連絡先です。麻里さんのこと何かわかったら連絡を」
 手帳の切れ端を渡される。里枝が受け取ると、
「それじゃあ、今日は……」
 ぎくしゃくと別れの挨拶を繰り返し、私たちは別かれた。


第四章:九月二十二日
田村 千津絵 ― Thizue Tamura ―

 午前九時には店を開ける。靖久をフル活用し始めてから、千津絵が開店前にすることは少なくなった。
 靖久は今日は授業があるからと、朝の手伝いを済ませると学校へ出かけていった。お昼を過ぎれば戻ってくる。
 店内を見渡し、ガラスケースに入れた他人に触らせられない、お気に入りのフランス人形や、ランプに丁寧にはたきをかけ、ほこりを払って、ガラスの棚に一番良く見えるように並べる。
 アンティーク趣味が高じて、店の中は妙な落ち着きがある。この雰囲気を気に入って、遠くから来てくれるお客さんもいる。
 客はランチタイムまでまずない。いつものように煙草に火をつけ、新聞を読もうとして、ちらとガラスケースの中のキセルに目を留めた。
 細くて上品な一品。淑女のために作られたもので、値はそれほど張らないが、千津絵が気に入っているアンティークの一つだ。ガラスケースから取り出し、ゆっくりとその優美なデザインを眺める。
 刻んだ葉を詰め、一口、肺に吸い込む。本物の味。深く、濃い。立ち昇る紫煙も、いつもの安っぽい煙草に比べて美しい。

――カラン コロン

 ベルが鳴り、いつもより早く客が現われる。入り口を向いた千津絵は、
「あら、橘さん」
 相手が誰か認めると、腰を上げようともせずキセルを吸いつづける。
 入ってきたのは近所のおしゃべり好きな奥さんだった。彼女は時々やってきて、水一杯で三時間はしゃべってゆく。
「奥さん、聞きましたよ。息子さん結婚するんですって?」
 椅子に座るよりも先に話し始める。橘さんはいつだって、嘘か真かわからないような、いい加減なことも平気で話す。だから、いつもは適当にお茶を濁し、話し終わって帰っていくまで、ただひたすら耐えるのだが、
「何のことですか?」
 千津絵の顔色が変わったのを見て取り、橘の奥さんは嬉しそうに話し始めた。
「あのね、見たって方がいるのよ」
 フフフと笑う。
「何のことなんです?」
「だからぁ、息子さん――ヤスヒサ……さんですっけ? 彼が公園で髪の長い女の子と歩いてたって……」
 思わずこけそうになる。
 女の子と歩いていただけで結婚とは。息子も二十三歳。彼女一人や二人いてもおかしくない年齢だ。
「それでね、その方がおっしゃるには、結婚式場のパンフレットやら、ウエディングドレスのパンフレット広げて、親密そうに話してたって」
 ……その方は一体どこからその二人を観察していたというのだろう。話題は変わりながら長々と、橘さんの話は続いた。

北沢 里枝 ― Rie Kitazawa ―

 姉の同級生、その言葉が引っかかり、姉の卒業アルバムをめくった。
 確かに靖人は高校時代の姉の同級生だった。そして、悠斗さんも。
 卒業アルバムに記載されていた靖人の住所を尋ねると、そこは喫茶店だった。アンティークな感じだが、店名は『ヒマワリ』。なんだかちぐはぐな感じだ。
 ベルの音と共に中に入るが、店内には、キセルをふかす黒服の女性が一人と、どこにでもいるおばさんが一人いるだけだった。
「いらっしゃい、どこでもどうぞ」
 黒服の女性はほっとした顔で立ち上がり、店内を指差す。
 里枝は窓際の一角に腰を下ろす。
「何になさいます?」
 簡単なメニューと水、おしぼりが運ばれてきた。
「カフェオレを」
 メニューを見もせず、注文する。
 女性は難しい顔をしていたが、ふと微笑み、
「もしかして……リエちゃん? あなた北沢里恵ちゃん?」
「……なんで私の事――」
「昔近所に住んでた、田村よ。憶えてない……わよね。里恵ちゃん五歳くらいだったし」
 里恵もその言葉に頷く。
「懐かしいわね……里恵ちゃんもこんなに大きくなって……」
 感慨深げに呟きながら、女性は奥へと消えた。
 店内に流れるジャズが一曲終った頃、カフェオレとチーズケーキを持って女性は現れた。
「これ、どうぞ」
「ありがとうございます……」
 女性が再び、おばさんの横の席に戻りかけたのを里恵は呼び止める。
「靖久さん、いらっしゃいますか?」
「今、学校だけど……何か用?」
「あ、いえ……」
「あなたじゃないの?」
 横から声が割ってはいる。
「あなた、昨日公園で靖久さんとデートしてた方でしょ?」
 声の主はおしゃべり好きそうなおばさん。妙な迫力に、里恵は頷く。
「結婚式、いつなの?」
 なぜ、このおばさんが姉の結婚式のことを知っているのかわからなかったが、里枝は素直に答えた。
「明日です。内輪だけの小さいものですけど……」
「あら、まぁ!」
 おばさんは嬉しそうに目を輝かせると、用事があると店を出て行った。
 里恵とともにおばさんを見送った田村の母が、唖然とした顔で尋ねる。
「里恵ちゃん、靖久と結婚するの?」
「いえ、悠斗さんと姉のことですが……」
「……麻里、ちゃんが結婚するの? 悠斗君と?」
「はい」
 わけもわからず里恵は頷く。
 田村の母は頭を抱え、うずくまっていたがやおら立ち上がり、
「靖人に用事ってなんなの?」
「あ、えっと、話せば長くなるんですが――」
「短く言って」
「あぁ、えっと、姉と悠斗さんが駆け落ちしてしまって……。式は父の知り合いの人に無理矢理たのんで組んでもらったんで取りやめることも出来なくて……」
「二人が駆け落ちしたの?」
「いえ、二人とも四年前に駆け落ちしてたんですけど、戻ってきてたんです。それで、ウチの両親が式を組んだんですけど、お互いに別の相手とまた駆け落ちしてしまって……」
「それで、靖久はなんで関わってるのかしら?」
「悠斗さんの友人だって……昨日、電話をもらいまして」
 田村の母はしばらく考え込んでいたが、
「おとといの不審な電話は悠斗君からだったのね」
 大きく溜息をつく。
「さっきの人ね、このあたりじゃ有名なスピーカーおばさんなの。あることないこと、話を大きくしてしゃべってまわる……困ったわね……」
 肘を曲げ、考え込む。
「でも、噂だったら別に……」
「うちは店をやってるでしょ? だから、靖久が結婚するって噂を聞きつけて来るお客さんもいるのよ。その人たち一人一人に間違いを訂正するより、広がる方が早いの」
 二人がじっと考え込んでいると、
「ただいま」
 声がした。
「あれ? 里恵……さん? どうして?」
「靖久……」
 田村の母は疲れきった顔を上げる。
「どうしたの? 母さん」
「里恵ちゃんと結婚しなさい」
「え!?」
 里恵と靖人は驚きの声を上げる。
「それしかないでしょ。北沢さんとこも式をあげなきゃならないんだし、うちにも事情がある。ちょうどいいじゃない」
「それは……そうですけど……」
 里恵が言葉を濁す。
「何か問題ある? ドレスのサイズ違うの?」
「いえ、えっと……」
「悠斗君も靖久とそれほど体格変わらなかったから……ちょうどいいじゃない」
「いや、だけど……」
 靖人の反論の声にも田村の母は躊躇することなく、
「内輪だけの式なんでしょ? それだったら大丈夫よ! 結婚だけして、籍を入れなきゃいいんだから」
 どこから沸いてくるのか、妙な意気込み。
 千津絵は北沢の家に電話をかけ、その妙な提案を嬉々として伝えていた。
 そんなもの、通るはずがない。
 そう思っていた靖久と里枝だったが、
「オッケーですって」
 千津絵の言葉に唖然とする。
「昔っから、康ちゃんもみっちゃんも私の言うことにはいつも賛成してくれるのよ」
 千津絵はふふふっと笑った。
『康ちゃん』に『みっちゃん』というのは、里枝の父『康介』と母『美津子』のことだろう。
 靖久と里枝は互いに顔を見合わせ、溜息をついた。


第五章:九月二十三日
田村 靖久 ― Yasuhisa Tamura ―

 式当日、空は抜けるような青空。快晴だった。結婚式日和というところだろうか。
 パンフレットにあった教会よりも、実物はずいぶん小さかった。教会、という言葉で想像するような華やかな教会ではなく、白い壁に木の椅子。ステンドグラスもありはするが、どこにでもありそうな、シンプルなもの。本当に小さな教会だった。
 靖久は白と紺色、それに銀糸の刺繍が入ったタキシード。
 里枝は白に銀糸とパールビーズの刺繍された、ウエディングドレス。
 本当に結婚するわけではないけれど、なんだか互いに照れくさかった。
 式も終わりに近づいた頃、
「さぁ、誓いの口づけを……」
 神父の言葉に靖久と里枝はかたまった。
 忘れていた。
 その言葉が一番手っ取り早い。
「口づけを……」
 神父は困った顔で、もう一度二人に話し掛ける。
 里枝は顔を下げていたのだが、きっと顔を上げ、
「あの、靖久さん、初めて……じゃないですよね?」
 その言葉に靖久が里枝の顔を見る。
 里枝はヴェールを勢いよくまくし上げ、かすめるように靖久の唇に触れ、離れた。
 その行動に靖久はただ、じっと立っているしか出来なかった。

 式の後はホテルのレストランの一角を借りての、食事会。
「ちっちゃかった靖坊が、俺よりでっかくなったんだなぁ」
「本当に。やっちゃん、いい男になってぇ」
 里恵の父母が陽気に笑う。里枝が、母は調子が悪くて寝込んでいると言っていたが、その様子は微塵も無い。
「懐かしいわねぇ……引っ越したのは靖久が十歳くらいの頃だったかしら?」
 千津絵の言葉に、里恵の母――美津子が頷く。
「そうそう、里枝が小学校上がる前だったわ。里枝は覚えてないんでしょうけど、田村さん、うちのまん前に住んでたのよ」
「へぇ」
 困惑顔で里枝は靖久を見やる。それは靖久も同じで。互いに目が合い、慌てて目をそらす。
「お前ら、よく遊んでただろ。馬鹿娘と、里枝と、靖坊と三人で」
 そう言われ、靖久は考え込む。
 遊んでいたのは……自分ともう一人。二人だけだったはずだ。
「お父さん、あのころ里枝は人見知りが激しかったから、あんまり遊んでないわ。だから、靖久ちゃんが覚えてなくても仕方ないのよ」
 思い出話に花が咲く。里枝は逃げるように席をはずした。

「里枝さん?」
 ロビーのソファにいるところやっと見つけた。
「すいません、」
 立ち上がろうとするのをとどめ、靖久は隣に腰を下ろす。
「今回はありがとうございした」
 里枝は再び謝る。
「いえ、こちらこそ」
 靖久も言葉につまり、返事を返すのみ。二人きりになると話題が無い。
 こんな嘘の挙式など、あげなければ良かった。千津絵の登場で劇的に雪崩れ込むように挙げてしまった式に、靖久はただただ溜息をつくしかない。
 互いに話す言葉もなく、黙りこむ。

 ワハハハハ……

 千津絵と北沢の両親は盛り上がっている。
 靖久と里枝は互いにため息をつき、それを互いに気づき、何か話そうと声をあげかけ、声が重なり、譲り合っているうち再び声を詰まらせる。沈黙が居た堪れない。
「田村里枝様、お電話です」
 ホテルの従業員が近づいてきて、事務的な声をあげた。
 一瞬、里枝は不思議そうな顔をしたが、微笑みながら、
「そっか、結婚したから私は『北沢』じゃなくて、『田村』なんですね」
 従業員に指定された電話に出るため席を離れていった。
「はい、お久しぶりです……」
 里枝は戸惑い気味頭を下げる。
 受話器からうっすらとだが声が漏れ聞こえてくる。向こうは大きな声で話しているのだろう。
「え? あ、はぁ……まぁ……」
 里枝はちらりと靖久を振り向き、すまなさそうに頭を下げる。
 靖久も奇妙な顔をしつつも、頭を下げ返す。
「えぇ。あの、どこでこの話を? ……あ、ちょっと!」
 里枝は受話器をおき、
「どうしよう……」
 不安げな声を上げながら、靖久の隣に座った。
「どうかしたんですか?」
「噂、広められてるみたいなんです」
「噂?」
「結婚のことです」
 里枝はその電話の主が、高校時代のお喋り好きなクラスメイトであったことを告げた。橘亜紀子、母の店にときどき尋ねてくるスピーカーおばさんの娘だ。靖久も顔を曇らせる。
 千津絵の心配していた通りになってしまった。二人は黙り込み、もくもくと飲み物を啜った。
 どうすればいいのか、一番簡単な方法は互いにわかっていたが……けれどこんな風に流されるように決めるようなことじゃない。こういうことは、長い時間をかけて……
「靖久さん、」
 里枝の声で、靖久は顔を上げる。
 里枝は真剣な顔で、
「あの、私のほうからこんなことを言うのは……あれなんですけれど」
 何が言いたいのか、靖久はわかっていた。同じことを考えていたから。
「……いえ、あの、忘れてください。いくらなんでも都合が良すぎますから……」
 里枝は真っ赤な顔をして、靖久から離れ、親のほうへ酌をしに行ってしまった。
「あら、靖久ちゃん、こういうことは男の子の方から言わなきゃダメよ☆」
 話をどこから聞いていたのか、片手にワイングラスをもって、千津絵が靖久の隣に座る。
「ほら、お酒ついで」
 一口でグラスをあけ、片手に持っていたワインボトルを靖久に渡す。
「いや、だけど……」
「あのね、靖久ちゃん」
 千津絵はじっと靖久の目を覗き込む。
「女の子があれほど勇気を出してんのよ? 告白してるようなものじゃないの」
「でも、これは――」
 息子の言葉を遮り、千津絵はきゅっと一口でグラスを空にすると、それを靖久の前に突き出す。ワインの飲み方じゃない。
「好きでもない相手とさ、結婚式したり、キスしたり、女の子はしないものよ」
 靖久はそれに同じようにワインを注ぐ。
「結婚なんてものは、してみなきゃ『善し悪し』なんてことはわからないんだから、とりあえず結婚して、ダメだったら別れりゃいいのよ」
「いや、それは――」
「なに? 結婚二十七周年を迎える私の言葉が信じられないの?」
 酔っ払いには逆らわない方がいい。
「……そうだね」
「それにあんたはさ、里枝ちゃんの『王子様』なんだから、大丈夫よ」
 ぽんぽんと息子の頭を叩き、千津絵は北沢の両親の元へと戻っていった。

 王子様――――――?

 ふと、顔を見上げると里枝がベランダに立っていた。
「里枝さん?」
「あ、すいません。ちょっと風に当たりたいなって思って……」
「いえ。あの……」
 靖久はなんと言えばいいのか戸惑う。
 結婚式を先に済ませてしまっているのだから。
「これから、始めませんか?」
「え?」
 里枝は不思議そうな顔で靖久を見る。
「本当にお付き合い、しませんか?」
 互いに目が離せない。
 じっと見詰め合っていたが、先に目を離したのは靖久のほうだった。
「すいません、変なこと言い出して。ちょっと酔っ払ったようで――」
「酔っておっしゃったことなんですか?」
 里枝の真剣な眼差しに、靖久は照れ笑いしていた顔を引きつらせ、ぽつりと答えた。
「本当です」
「――私と、付き合っていただけるんですか?」
 その言葉に靖久が驚く。
「あの、それは、つまり――」
「喜んでお受けします……」
 里枝は涙を浮かべて微笑んだ。
 その顔に靖久は引っかかっていた記憶を思い出した。

 泣いている、一人の少女……

 暑い暑い、夏休みだった。
 その頃の僕の遊び相手は、近所の姉妹だった。
 妹の方は非常に人見知りで、警戒心が強く、一緒に遊んでいるとは言うものの、いつも姉の影に隠れていた。だから、三人で遊ぶというよりも姉の方と二人で遊んでいるという感じだった。
 僕達はそのころ、探検ごっこばかりしていた。ただの散歩、大人に取ってはそうとしか取られない程度のことだったが、僕達には楽しくて仕方なかった。
 ある時、気づくと僕と姉の方しかいなかった。姉に妹のことを尋ねても知らないというだけ。僕は必死に探し回った。
「おねぇちゃん……」
 か細い泣き声に僕は足を止める。
 土管置き場。
 そのなかの一つ。立てて置かれた土管の中から、小さな声がする。
 中を覗き込むと、女の子がいた。その子をはっきりと見るのはそれが初めてだった。髪がちょっと長くって、目がパッチリしてて、まつげが長くって、日に焼けていて……可愛い子だった。
「リエちゃん、大丈夫?」
 僕は女の子を助け出し、背中に背負い、夕暮れの中、帰途についた。女の子は僕の背中にしがみつき、しくしくと泣きつづけた。
 翌日から、彼女は僕の前には現われなくなった。
 父が一軒家を買い、母親がそこの一階を改装して喫茶店を開くからと夏休みが開ける間際、僕は引っ越した。

 二度と、彼女に会うことはないだろうと思っていた。

『駆け落ち』をご覧いただきありがとうございました。

01/9/11 私、初めての恋愛もの……になると思うんですけど、どうでしたでしょうか?
・「互いに知らない男女が「困った」といいながら公園を散歩する」
・「結婚式前に互いに駆け落ちする新郎と新婦」
 この二つのネタ、うまく物語りに溶かしきれていたでしょうか? 恋愛ものは書いてて鳥肌が立ちそうなほど恥ずかしかったです(笑)
 もしかして、チェック漏れしてて「靖人」「里恵」なんて書いてあるかもしれません。「靖久」「里枝」の誤りです。最初、靖久さんは悠斗くんとは双子の設定でかいてたので、「靖人(やすと)」「悠人(ゆうと)」になってたんですね。「里枝」に変えたのには理由はないんです。途中から変換が違っただけなんです。書いてるうちに、設定がかわりまくったので(お父さんが死んだり・生き返ったり、お母さんが登場したり、スピーカーおばさんが出てきたり、友人が出てきたり)、いろいろと部分的に矛盾点があるかも。チェックミスです。ごめんなさい。
2004/04/20 改稿
2006/06/15 改稿  
2007/07/15 「プロローグ」「エピローグ」って言葉を文中で使っていたものの、意味がわかりにくいので削除。里枝の思い出(記憶)から始まって、共通の靖久の思い出(記憶)で終わらせてたので、「エピローグ」ってのは意味的に違うし。。。
2004/04/20 改稿
2006/06/15 改稿  
2007/07/15 改稿
2012/01/19 訂正

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