私の魔法

 四月半ばのある朝突然、天使たちは我が街に降臨した。キリスト教徒なんて、ほとんど居やしないこの街に。
 腰まである長く美しいプラチナブロンド。長いまつげ。白い、陶器のような透き通った肌。そして、背中にはお約束の真っ白な翼。
 ローブのような真っ白な服は……舞い降りてから人々の善意で着せ掛けられた。舞い降りたときには、そりゃもう大変だった……なんせ全裸だったのだから。
 思い出すと笑えてくる。あのころのドタバタ劇を。PTAやら、婦人会やらが目くじら立てて動き出し、天使が舞い降りた翌日には服が着せ掛けられたのではあるけれど――っと、ついつい話がそれてしまった。

 天使の光臨はそりゃ荘厳なものだった。天使は胸の前で両手を祈るように組み合わせ、瞳を閉じ、ゆっくり、静かに――と見ていたように言っているが、実際、そのうちの一人(天使を数える単位って一人でよかったのかな?)は私の家の隣の空き地に舞い降りたのだ。
 私は唖然とそれを見上げていた。なんたって、うちの二階の屋根の一番高いところがちょうど膝にあたるくらいの巨大さだったから。
 天使は舞い降りはしたものの、それからピクリとも動かなかった。そこに昔からいたかのように悠然とたたずんでいるだけ。
 夕方までには報道関係者、自衛隊、警察、科学者、宗教団体、野次馬……諸々の人々が集まってきて、大騒ぎになった。

 翌日。気が付くと天使は金色の霧を放っていた。目が覚めた頃にはすでに街中にその金色の霧が垂れ込めていたから、夜中から放っていたのかもしれない。
『天使の祝福』と後に呼ばれるようになったその金色の霧に、何が混じっていたのかは知らないが、それは電波を遮断する性質のものらしかった。その日以来、テレビやラジオ、無線、携帯なんかがまったく使えなくなってしまった。
 天使の影響はそれだけじゃなかった。
 天使はまったく微動だにしないが、なぜか頻繁に羽が生え変わるのだ。つまり、たびたび巨大な羽がひらりひらりと舞い落ちてくるというわけ。
 ただ抜けるのならば良かったのに、羽は抜けた瞬間、黒く変色し奇妙な臭いを放ち始める。その臭いがずっとしているのならば近隣住民の誰もが引越しただろう。
 けれど、その羽は何かに触れた途端、シャボン玉のようにはじけて消えるのだ。すると、先ほどまでの臭いは完全に消える。不思議なことに。
 そして一番の影響が――。

***

「ちょっと、いつまで寝てんの翔子! いい加減起きなさい!!」
 母上の怒鳴り声で目が覚める。枕もとの時計を見ると八時過ぎ。
 天使が舞い降り、ごたごたしたのは半年も前のことになる。それ以前と以後。比べてみても、私の生活はあまり変わっていない。私はあいかわらずこの町にある大学に通っているわけで――。
「今日は日曜なんだからゆっくり寝させてよ……」
 愚痴りながら布団から這い出し、大きく伸びを一つ。
「今日は……いい天気なのかな?」
 カーテンを開けてみたものの、外は真っ暗。
「昨日風強かったからなぁ……」
 窓からはいだし、真っ暗な屋根の上を十数年来の記憶力で歩き、幾重もの布をくぐれば――
「お、良い天気」
「変態」
 すがすがしい朝に感動している私に、嫌味な声。まぁ、天使のスカートの中から登場すれば言われても仕方ないわけで。
「おっはーっ」
 パトロール中の植木さんに挨拶すると、渋々といった声でおはようと声が返ってくる。
 この陽気に制服着て巡回なんて警察官も大変だ。
「今日も良い天気だねぇ」
 天使が舞い降りてから我が街だけは毎日が小春日和。ますます平和ボケしそうなほどの上天気な日々。天国ってこんな感じなのかもしれない。
 屋根の一番高いところに腰を掛け、胸から煙草を取り出し一服。
「お前そんなもん吸ってちゃ体に毒だぞ」
「あら、植木さんこそポケットに入ってるのは何よ」
 言ってやると、面白くなさそうな顔をしてポケットから煙草を取り出し、ふかしはじめる。
「そうそう、素直が一番よね」
「大人をからかうもんじゃないぞ」
「私も、もう二十歳こえてるわよ」
 大空を仰ぎ見ながら吸う煙草は格別。
「植木さん今日も警護?」
「あぁ」
 と苦虫をつぶしたような顔。
「今日も俺は一日この天使様の警護だよ」
 と、植木さんが天使を見上げるので、私も顔を上げる。
 金の粉。
 光の筋。
 散乱する虹色の光。
「今日もご大層なことで――」
「あぁ、本当にいつ見ても……まるで天国にいるみたいだよなぁ」
「うん」
 素直に頷く。何度目の実感だろう。感動は薄れるどころか、増してゆく。
「これ見るとさ、この生活もいいかもしれないなぁって思うんだよな……」
 しみじみとした呟き声が聞こえてくる。
 それは私もそう思う。でも、
「それ、大声で言ってみたら?」
 植木さんは舌打ちし、
「お子ちゃまと遊んでる暇はないんだよ、俺は」
 どこかへ行ってしまった。この辺の近所をパトロールこと、散歩してくるだけだろうけど。
 私は携帯灰皿で火をもみ消すと、朝食を食べるためリビングへ向かった。

 トーストとミルク、目玉焼きの簡単な朝食をすまし、デザートのヨーグルトを食べていると、
「はい、珈琲」
「ありがと、母上」
 インスタント珈琲とはいえ、こうやってタイミングよく出されると嬉しいもの。
「あんたさぁ、」
 鼻をくんくんと空中で鳴らし、
「煙草って体に悪いんだよ」
「わかってるよ。だから、一日三本しか吸わないって言ってるでしょ」
と型にはまった答えを返す。
「周り人間の体に悪いのよ」
 特に私の、と嫌な顔をする。
「へいへい……で? 今日は何?」
「あらぁ、何でわかったのぉ?」
 気色悪い猫なで声。
「母上が珈琲出してくれるときって、頼み事がある時だけだもん」
 そんなこと無いわよと、一瞬むくれた顔をするがすぐに先ほどまでの気味の悪い笑顔になり、
「はいっ」
 目の前に広げられる、通販カタログ、広告の数々。
「ちょっとこれ、頼みすぎじゃありません?」
「いいじゃない。楽しみってこれだけなんだから」
「母上の珈琲って高くつくよねぇ」
「だって、世界で一番美味しいもの。じゃ、お願いね」
 にこにこ顔で腰をあげる。
「どこか行くの?」
「集会よ」
 私にこんなこと頼んでおきながら、集会に参加とは。母もいいかげんなものだ。
 珈琲を飲み終わりあらためて頼まれたそのカタログや広告を見直し、その量の多さに圧倒される。でも、ま、最近魔力が増した気もするし、何とかなるだろう。
 なーんて言ってると怪しい人っぽいなぁと自分でも思う。けれど、どうしようもない。天使様が舞い降りてきた日から、なぜだか一部の人々は魔法を使えるようになってしまったのだ。
 TVゲームのRPG等のように魔力が数値化されてない分、自分で力をセーブしないと使いすぎたら死んでしまう――というまことしやかな噂もある。
 で、なぜだか私もそんな一人になってしまったのだ。ある朝起きたら突然だったので、どうしてなのか、なんてことは誰にもわからない。
 人によっては超能力が目覚めた……とか言ってるらしいが、私は『魔法』って言葉のほうが合うと思う。
 能力をもてなかった人々は力のあるものと、無いものに対する政府の対応について各地で集会を開いたり、デモをしている。力の無いものに何らかの援助が必要だとかなんとかって主張してるらしい。
 だが、一家に一人までとはいかないが、かなりの確立で能力者がいるので本当に活動に熱心な人ってごく少数だけだったりする。大多数はうちの母みたいに付き合いで参加してるのだ。

「お、また母さん頼んだのか」
 父が新聞片手にリビングに現れる。
「父上も何かあるの?」
「ない」
 いつもながらに無愛想な父である。
 私は大きく息を吐き、魔力を集中し始める。
 頭の中で金色の光が収束していくイメージ。
 その中心から先ほど見た品々が浮かび上がってくる――
「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイーっと」
 ぜいぜいと肩で息。カタログ中の印がつけてあった品、五品ほどを出現させる。
「終りか?」
「…………三分の一は」
「そうか」
 父上は新聞に目を戻す。私は一服しようと立ち上がり、部屋を出かけたところで呼び止められた。
「お前も気をつけろよ」
「は?」
「魔法を使った事件が流行ってるようだ」
 読んでいた新聞のある記事を指差す。
「なになに?」
 その指差す記事を見る。
「天使の力の保持者たちが暴動――って!?」
 その記事の隣に載せられた逮捕者の一覧写真に首付けになる。
「やはりそうか。ここに写ってるのはお前の友達か」
 頷くことしか出来ない。
 特に親しい友人ってわけでもなかったのだが、写真に写っていたのは確かに近藤春奈。中学・高校と同じ学校で、何度か同じクラスにもなったことがある。
 でも、彼女はこんな暴動に参加しそうな性質じゃない。同い年とは思えないくらい大人なんだけど、ものすごい面倒臭がりで宿題や忘れ物では常に女王だった。
「なんで?」
「そういえば――これ」
 と、どこからともなく父は一通の封筒を取り出す。
「何?」
「いや、新聞取りにでたときにな――お前宛てだ」
 不信に思いつつその手紙を読んで私は再び驚きを隠せなかった。
「ちょっと出てくる」
 慌てて家を飛び出した。

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 村木翔子 様

 あなたも能力者ですよね? この手紙をご覧になったら下記の場所までなるべく急いで来てください。
 能力者ならば絶対に知っておかなければならないことがあります。それをあなたにもお知らせしたいので。

              近藤春奈

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 手紙の下には住所と地図。
 よくよく考えてみれば面倒くさがりの近藤春奈が手紙なんて書いたりしないってわかったのに、新聞のこともあり動転していた私はのこのこと指定されていた公園へやって来ていた。
「ここ……だよねぇ?」
 そう言いたくなるのも当然。そこは公園のど真ん中。噴水の前。恋人同士が待ち合わせするような場所。
「村木さん?」
 私の前に現れたのはどう考えてみても見たことのない女性。優しい近所のお姉さんって感じ。白いふわっとしたワンピースがフェミニンな印象。害のなさそうな人。
「失礼ですが、どなたですか?」
「えぇっと……村木翔子さんよね? 私は鈴木景子よ」
 名前を名乗られても一体どこの誰なのかわからない。
「何か?」
「手紙――読んでないの?」
 手紙って、近藤春奈の手紙のことだろうか? そこに鈴木さんなんて女性のことは書かれていなかったが。手に握り締めていた手紙を彼女に見せながら――
「近藤さんの知り合いの方ですか? お知らせって何です?」
「近藤さん? お知らせ?」
 鈴木さんは怪訝な顔をして手紙を覗き込む。じっくり見入った後、真剣な顔をしてこう言った。
「こんな胡散臭い手紙を見て来ただなんて……あなた馬鹿なの?」
 私の目は点になる。誰だってそうだろう。知らない人から突然こう言われれば。
「胡散臭すぎるわ、この内容は。唯一、信用できるのは手書きってことだけね……」
 なんだかぶつぶつ独り言を言い始める。
「あの、」
「あら、ごめんなさい。私、推理小説が好きなものだから――」
 推理小説が好きだからって、初対面の人間をいきなり『馬鹿』呼ばわりするのはどうかと思う。
「それで、あなたは確かに能力者なのよね?」
「それって、魔法が使えるってことですか?」
 私の言葉に鈴木さんはむっとする。
「私たちの組織じゃ、それを『能力』って呼んでるの。だから、使える人は『能力者』」
 有無を言わせない口調。なんだか目が怖い。
「もう一度聞くわ。あなた、能力者なのよね?」
「はぁ……まぁ――そうですね」
「そう! それなら組織はあなたを大歓迎よ!」
 急に満面の笑顔。両手を大きく広げ、強く抱きしめられる。
「あの、私、入るとは……」
「入るべきだわ、能力者ならば!」
 ある意味怖い、この人。
「――けど、組織って何です? ――と、とっと、きゃっ」
 いきなり鈴木さんに突き飛ばされ、私は噴水にお尻から座り込んでしまう。鈴木さんは怪しい笑みを浮かべ、
「組織の活動は秘密なの」
 ふふふと笑う。私は頭から噴水をかぶりながら、彼女を見つめるだけ。これ以上この危ない人に関わらないほうがいい。暖かい時節なことを感謝しつつ、起き上がる。
「今日のところは帰ります」
「なぜ?」
 本当にわからない様子で彼女は尋ねる。こういう人種を邪険にして後々面倒ごとに巻き込まれたくない一身から、
「濡れてしまったので……」
 申し訳ない、こちらのミスで……みたいな声色で答える。こういう調子が良いところは母さんの血かも知れない。
 鈴木さんはまじまじと私の姿を見、どうしてずぶ濡れなの? とでも言いたげな顔を一瞬見せ、
「あらまぁ……それは大変だわ――それじゃ、新しい服を出してあげるわ」
「……はい?」
 私は通販カタログや広告なんかの媒体が目の前にないとそれらを出すことができない。けれど、鈴木さんは違った。
「これどう?」
 言ったときにはすでに、彼女の手には一着のワンピースがあった。薄いピンク色の生地に白い輪郭だけの花が描かれている。全体的にふわふわっとした乙女チックなデザイン。
「はぁ……」
 唖然とする。私とはタイプの違う魔法を目の前で見た驚きと、そのワンピースとに。
「可愛いでしょ?」
 私の反応が気に入らないらしい。気に入らなくて当然だろう。私はジーパンにTシャツってラフな格好が好きだし、黒や紺等のどっしりした色しか着ない。そういう乙女チックな服は着たいとも思わない。
「はい、これ着てみて」
 有無を言わさない口調。これって何の罰ゲームですか。
「いえ、あの……」
「遠慮しないで」
 半強制的に私はその服を着せられた。スカートをはくのって高校以来だ。

***

「さ、ここが秘密基地よ」
 連れてこられたのはごく普通の、住宅街の一角だった。それもうちの近所。変人と名高い、柏木さんの家。
「柏木さんも能力者だったんですか?」
「いいえ違うわ」
 鈴木さんは嬉しそうに笑い、
「柏木さんは組織の中で唯一の、無能力者なの」
 引き戸の玄関を開ける。
「いらっしゃい!」
 パンパンとクラッカーがはじけ、細長い紙テープが私の頭の上に降り注ぐ。玄関には柏木さん含めて三人。
「一体なんですか?」
「歓迎会よ」
「は?」
 鈴木さんの顔をまじまじと見る。
「だから、私たちは能力者なの」
 やっと理論立てて話してくれる気になったらしい。私は神妙に頷く。
「だから、あなたが能力者だってこともわかったのだし、組織に参加してくれるってこともわかったのよ」
「いつ参加するなんて言いました?」
「忘れたの?」
 まじまじとそんな悲しそうな顔で見つめられても、私は一言もそんなことを言った覚えはない。その上、説明になってないし。
「この組織は一体何なんですか?」
 鈴木さんを置いといて他の方々に尋ねる。鈴木さんよりもマシな答えを期待して。
「聞いてないのかね?」
 そういったのはごくごく普通の格好をした、この家の主の柏木さん。たしか七十歳近い年齢のはずなのに、元学校教師だとかで、やたらいろんなことを知っている。
「能力者の権利を勝ち取る会だよ」
「………………は?」
「だから、能力の使えない人よりも能力的に優れてるんだからもっと良い権利を得るための会なのよ!」
 鈴木さんが言い直す。
「いや、私は別に――」
「能力のない人と同じ権利しかなくてもあなたは平気なの?」
「はい」
 とは答えられない気迫。どんなことをしてでも鈴木さんから逃げるべきだった。主義主張なんてもの私にはない。
 まだまだ言い足りない様子の鈴木さんを柏木さんがなだめる。
「彼女も話を聞いていないんじゃ仕方がない。説明するから上がりなさい。あぁ、鈴木さん、君は今日のところは引き取ってもらってもいいかね?」
 さすが元高校教師。有無を言わさない雰囲気に鈴木さんは大人しく帰っていった。
「根はいい娘なんだがなぁ……」
 柏木さんはため息を漏らしつつ呟いた。とりあえずのところは助かった。

 茶の間に通される。テーブルの上にはウーロン茶の入ったグラスが三つ。
「君は適当な場所に腰を下ろして」
 私は愛想笑いをしつつ、グラスのない場所に腰を下ろす。部屋には先ほどの紫色のつぎはぎだらけのシャツに、レースがごてごてついた黒いスカートをはいたショートカットの女の子と、龍のイラストの描かれた青いTシャツにジーンズ姿の男の子が残った。
 柏木さんが台所だと思われる場所に引っ込むと、
「私は山田仁美。こっちは弟の幸成」
 と、たぶん中学生くらいな女の子が、小学生くらいの男の子を紹介してくれた。
「私は村木翔子――あの、これなんなの?」
 まともそうだと判断して仁美さんに答えを求める。この組織について。
 だが――予想は見事に打ち崩された。
「歓迎会ってやっぱジュースとかご馳走とか……部屋飾ったりしないとダメですよね?」
「いや……そればべつにいいんだけど――」
 何も聞き出すことができないうちに、柏木さんが戻ってくる。
「はい、どうぞ」
 ウーロン茶とお菓子。私は少し遠慮しつつ受け取り、
「お知らせってなんですか?」
 鈴木さんにも見せた手紙を柏木さんにも渡す。
「あぁ、これは私が書いたものだ」
 柏木さんは頷きながら受け取り、
「不思議に思わなかったかね?」
 逆に質問された。
「いや、何がですか?」
 私が間抜けなんじゃない。質問の意図が分からなかっただけだ。
「たとえばだ、」
 と、長いたとえ話をしはじめたのを少年――幸成だったっけ? がさえぎり、簡略に説明してくれた。彼がいなけりゃ、通常、二十分は話を聴かなけりゃならないはずだった。柏木さんの話が長いのは、町内でも有名だから。
「僕の能力なんです。村木さんがここに来たのは」
「は?」
 間抜けな私の声。能力ってのにはいろいろあるらしいってことは知っていたが、このときにはまだ、幸成君の能力がよくわからなかったからだ。
「どんなことがあったって、村木さんはここの家に来ることはないし、どんな名称であれ組織にかかわろうともしないですよね?」
 そりゃそうだ。興味ないもん。
「でも、今日は朝から何か違ってましたよね?」
 違ってたこと……そういわれればちょっと納得せざるを得ない。
 普段ならば朝から父上に会うことはない。私が新聞やニュースを見ることも無い。私宛の郵便物は家に届いてから半月から三ヶ月以上かからないと私の手元には渡ってこなし、まして怪しい手紙に誘われて出かけるような事はしない。それに強引だったとはいえ、知らない人について来たりはしなし、柏木さん宅に来ることも、こんな組織があることを知ることもない……
「つまり、私がここに来たのは幸成君の魔法ってことなのね?」
「そう……いうことになる……か」
 歯切れ悪く柏木さんが答え、ウーロン茶を一口すする。
「それにしても組織っていうわりに、四人だけなの?」
 鈴木さんが言っていたわけのわからない活動内容は聞かない事にした。
「いや――」
 柏木さんがむっと顔をしかめ、
「ここは第三支部だから」
「支部って――え? 本当は大きい組織なの? ……ってことは新聞に載ってた暴動ってこの組織がやってんの?」
 私は帰ろうと立ち上がる。どんなことだろうと私は面倒ごとには一切、巻き込まれたくない。だいたい私の能力って微々たるものでしかないわけだし。
 部屋から出ようとしたところで、何かに上から押さえられ、また座り込んでしまう。
「今のが私の能力なんですよ」
 得意げに笑っているのは仁美さん。
「能力って……」
 問い掛けて黙り込む。他人の行動を制御できる能力だろうか……? だとしたら、『絶対』の上に『超』がつく、関わりあいたくない人間ってことだ。私は先ほどまで座っていた位置に座りなおした。
 見ない、聞かない、騒がない――そして嵐が通り過ぎるとのひたすら待つのが、こういうヤバイ時の一番の対処法だ。
「とりあえず、仁美さんと幸成くんさえいればこの組織ってパーフェクトでしょ? 私みたいなちゃちな能力者はいらないでしょ?」
 デモを起こしたり、権利を主張するのであれば私の能力は絶対に必要ないはずだ。
 三人は困った私の問いかけにような、驚いたような、それでいて可笑しそうな顔をして私の顔を穴があきそうなほど見つめた。
「な……なに?」
「いや、君がそう思ってるのならばそれでもいい……」
 そう、このときの思い違いに後で私は気づくことになる。
「君が来るまで話していたことなんだが……天使のことだ」
「はぁ……」
 いまさらワイドショーなんかで議論し尽くされた話題を持ち出されてもこんな反応しかできない。
「君はあの天使、どこから来たと思うかね?」
 ワイドショーなんかで幾度となく検証されたけれど、結局いまだによくわからない。『宇宙人説』とか『魔法で出現させた説』とかいろいろ出回っているけれど。
「わかりません」
「君はあれ、天使が出現する前に、どこかで見たことないか?」
 そんな風に言われても、昨日の夕食だってまともに思い出せないような鶏並みの記憶力しか持ち合わせていない頭なのだ。
「以前、君は見ているはずだ。そして、深く感動している」
「どこかで読んだのかも知れないです」
 幸成君が言う。
「読む?」
「天使が世界中に現れるような小説……絵本とか、漫画とか、映画とか……とりあえず天使が出てくるような作品を見たことは?」
「いや天使なんてあっちこっちに出てくるし……でも、たぶんあれに似た天使は見たことはないけど」
 私の言葉に三人は、
「村木さんでもなかったのか」
「今度こそ、そうだと思ってたのに……」
「はずれか」
 柏木さん、仁美さん、幸成君、口々に落胆の声を漏らす。
「一体何が!?」
 どう考えても蚊帳の外に置かれた状態の私としては、いい加減腹立たしくなる。
「私はね、『魔法による出現説』を指示してるんだ」
 半分落胆した表情の柏木さんが話し始める。
「魔法が使えるようになったのは、天使が出現する直前だと考えているんだ。それにはわけがある――」
「結構です」
 長い話を聞かされそうだったので直ちに断る。
「興味がないようですね」
 幸成君があきれた顔をし、仁美ちゃんは菓子に手を伸ばす。
「私は別に魔法があってもなくてもいいもの」
 立ち上がりかけた私は再び、腰を降ろすことになる。
「質問を変えてみたら?」
 菓子を食べながら仁美ちゃんが提案する。何が何でも私を犯人に仕立て上げたいのか、この三人は。なんて思いたくなる場の雰囲気。
「天使が降臨した日、あなたはどこでどのように過ごしていましたか?」
 それって、ワイドショーで散々魔法使いに質問していた内容じゃん、なんて軽く受け流せる空気はそこにはなかった。
 つまりはあれだ。『急がば回れ』。質問にさえ答えれば帰らせてくれるだろうと淡い期待を抱きつつ、私はあの日のことを思い出す。

 四月半ばのあの日、私はいつものように目を覚ました。
 むっくりと起き上がり、換気もせずに一服する。部屋に紫煙がただよい、カーテンや衣服に匂いが染み込んでゆく。
 吸い終わるとやはりその光景には我慢できず、カーディガンを羽織って窓を開け、紫煙と匂いを追い出す。
 そのころになって階下から母上の起きろコールが始まる。手早く着替えを済ませ、忘れ物がないか厳重に点検し階下へ降りる。
 トーストにそのころはまっていた黄粉胡麻ペーストなるものを塗り、コーヒーで流し込む。ふとテレビに目をやれば、街角アンケートなどやっている。興味はないものの、目を離すことも出来ず見ていればあっという間に家を出る時間。慌てて仕度を済ませ、玄関から転げ出る。
 バスを二本、電車二本を乗り継ぎ、山奥に立てられた学校に到着。
 電車もバスの中も溢れかえす人々の臭い切れで酔いそうになる。バスを降りたらすぐに深呼吸を繰り返す。
 校舎までの長い長い道のりをとぼとぼ歩いていると、
「おはよ!」
 いきなり背中をたたかれ、前のめりにこけかける。
「ごめんごめん、大丈夫? それよりさぁ――」
 悪びれる様子もなく、いつも通りのおしゃべりをはじめるのは佐藤尚子。とは言ってみても話しているのはいつも彼女一人なのだが。
 私はいつもながらに上の空で話を聞きながら、適当なところで相槌を打つ。
 尚子はこの学校に入って出来た友達だ。でも私は尚子のことを何も知らない。友達であるにもかかわらず、尚子に関しては学校に関することが全て。誕生日も、家も、住所も、電話番号も知らない。尋ねようと何度も思ったのだが、尚子のおしゃべりは止め処ない川の流れの如し。私が口をはさむ隙間など一ミリもなく、今日まで来てしまっていた。『なおこ』が『尚子』という漢字を書くのだということを知ったのもつい最近のこと。
「私自分の名前好きじゃないのよ。だって、和尚の『しょう』って字を書くんだよ」
 そう聞いて、『直子』じゃなかったのかと感心したくらいなのだから。
「綺麗だねぇ……」
 尚子が指差す方を見る。遠くの山には未だ雪が残っているらしく、真っ白く輝く山と手前の淡い黄緑色の山との対比が見事。
「私はこの時期が一番好きなんだよね」
 しみじみと言葉を吐き出す尚子。
「銀白の雪原が一番好きなんだけど、寒いでしょ? あれには耐えられないんだよね、それに黄緑色も好きだから……今の時期って一石二鳥でしょ」
「確かに」
 上の空でうなづく。遠くの雪山を眺め、寒そう……なんて思いつつ。
「それに、前から思ってたんだけどさ、ちょうどここいらから見た景色って――」
 不意に言葉をとぎらせ、何か重要なことでも言うかと思えば、別の話題に移る。尚子はこんな会話を良くするから私も気にとめない。
 今日の日程は午前中で終わる。ドイツ語と、パソコン実習を受けたら終わり。さっさと帰って、部屋でこの間買った雑誌でも読みながらだらだら過ごそう。
「――あ、そういえば、今日休講って知ってる? 休講にするんなら三日前には掲示板にでも張り出しとけばいいのにねぇ」
「えっ何が!?」
と私は尋ね返し、尚子は再び言い直す。
「ドイツ語もパソコンも休講だって。せっかく休講にするんなら三日前には掲示板にでも張り出しとけばいいのにねぇ」
 その言葉で立ち止まる。
「どうしたの?」
 不信そうな尚子に私は一言、
「……帰る」
 来た道を戻る。
 話し相手を突然無くした尚子は、寂しそうな顔を見せるがすぐに知った顔を見つけ、駆け寄ってゆく。相手が尚子に気づき微妙に迷惑そうな顔をするに気づく様子もなく。

 実質的に学校へいたのは十分少々。なのに往復するのに三時間。本当に時間と体力とお金の無駄。無駄なことは大嫌い。
 自宅近くのコンビニでサンドイッチとストレートティー、クッキーなどを買い込み家に帰る。
 ジーパンにトレーナーとラフな格好だったので、そのまま窓の外――屋根の上へと向かう。
 屋根の一番高いところに腰をかけ、まずは一服。紫煙はあっという間に春風に運ばれ霧散する。吸い終わるとサンドイッチを食べる。風は冷たいが日の光は暖かい。ぽかぽか陽気の中で私はまどろむ、この時間が昔から一番好きだ。
「おい」
 下のほうから呼びかけられる。
「植木さん……だっけ?」
「いいかげん名前を覚えろ。お前はそこで何をしてるんだ?」
 不信そうな顔。その目つきも声も小さな子供ならば泣き出してしまいそうな凄みがあるのだが、何せ相手は地上、こっちは二階の屋根の上。私は何の気負いもなく、半笑いを浮かべ答える。
「趣味よ、趣味。日向ぼっこってやつ」
「いい年した若い女がそんなところでタバコ吸って、昼食取るのは関心しないが」
「まぁ、考え方が古いのねぇ。そんなだともてないわよ」
「別にかまわない。近々見合いもするからな」
「……そう」
 見合いなんて小説やドラマの中の話だと思っていたのに、実際にする人がいることに驚く。
「お見合い写真あるの?」
「あるがお前には見せない」
 私の言葉を予測して先に釘をさされる。
「なんで?」
「見せる必要性がない」
 シンプルかつ的確な答え。
 再びタバコをくわえ、大の字に寝転がる。布団を敷いていないので、ごつごつした瓦が痛い。
「危ないぞ」
「大丈夫よ、昔からしてることだから……今日は本当にいい天気」
 大きく伸び。
 春にしては綺麗な空色。
「そうだな」
 植木さんはいつも律儀に答えてくれる。忙しいと口では言いつつ、結構暇なのかもしれない。
 いつまでもこんな日が続けば良い。眠くたくなるくらい平和で、のんびりしてて、穏やかな日が。そんな願いが適わないってわかってるからこそ願ってしまう。
 しばらくそうやってぼぉーっとしていたが、飽きてきたので部屋の中に入って雑誌を読んだりテレビを見始める。
 クッキーを食べつつ、ストレートティーを飲んでいると気が付けば夕方。肌寒くなってくる前にもう一服するか、と窓の外に出て定位置に座り空を見上げる。
 昼の鮮やかな空とは違い、ほんのり灰色と朱色を帯びだした空。こういう空色も好き。
 徐々に空は紅みを増し、太陽はその輝きを失いつつ、山の背に沈んでいく。金色の光の帯が街の一角を射る。
「本当に。こんな日がずっと続けばいいのに――あれっ?」
 私は目をこすり、沈み行く太陽を良く見る。
「あれぇ……?」
 首を傾げてみるが、絶対にいつもの太陽とは違う。太陽と同じ色、同じ形をした物体が太陽の手前にある。
「何、あれ……?」
 声に出してはみても、誰も答えてくれる人は居ない。
 頭の中にいろんなことが浮かんでは消えてゆく。思い出せないような些細な記憶、小さなころの思い出、思い出したくもない過去、そんなものすべてが頭の中で自動的に流れてゆく。
「何?」
 混乱。
 頭だけが別物のように必死にすべてを思い出そうとしている。
「何なの?」
 私は混乱した頭を抱える。目は太陽から離せない。
(……ソウ……)
 声。
 耳元、いや、頭の奥のほうで聞こえる囁き声。
(…………ミル……ナタノ……)
 何を言っているのか、何が言いたいのかはいまいちつかめない。でも、敵意がないのはわかる。
「一体、何?」
(……メル……ユルシヲ……)
 やっと単語が現れた。けれど『許し』って何だ?
 私は落ち着いていた。こういう混乱しているときのほうが、落ち着いていられる性質の人間だから。
「雪……銀白……白?」
 不意に浮かんだイメージ。
(……シイモノ……ミル……)
「白、翼、天使、髪、長い……」
 たぶん、私の記憶の中に埋もれていたイメージをこの声が頭の中に浮かび上がらせているのだろう。何らかの法則にしたがって。
(……ワカッタ)
「『わかった』って何が!?」
 声は唐突に途切れ、記憶の再生も終わる。太陽はいつのまにか沈んでしまい、宵闇に包まれている。先ほどの出来事がまるで嘘のように。
 大きく息をつき、体を起こす。記憶を呼び起こすためにフル回転した頭は疲れきっている。ゆっくり風呂につかって、さっさと寝よう。
 屋根から降りかけて、空が妙に明るいのに気づいた。
 頭の真上。天の高いところ。白く光る星――光。徐々に大きくなり、それが銀白の天使だと気づく。

「――なるほど」
 男の声に我に返る。
「あれ? あれ??」
 目の前にいるのは柏木さん、仁美ちゃん、幸成君。それに植木さん。
「原因は君か」
「え? 何?」
 私からすれば授業中に気づくと当てられてたみたいな感じで、まるで状況の判断がつかない。
「俺も能力者なんだ」
 植木さんが語る。
「鮮明な記憶を相手に呼び起こさせることが出来る……なんてちんけなものだが、犯罪捜査には便利だ」
 不適に笑う。普段の顔も怖いが笑い顔はそれ以上だ。
「私が犯罪者だったってこと?」
「そうだ」
 植木さんはため息をつき、柏木さんは大きくうなづく。仁美ちゃん、幸成君は面白そうに私の顔を見つめている。
「あの、何がなんだかさっぱりわからないんだけど」
 面倒くさいことに係わり合いになるのは嫌だけれど、当事者ならば事情を全部知りたいってのが人情ってもの。だが、
「君の言葉を借りるならば、『さっぱりわからない』」
 柏木さんは言う。
「原因である君にわからないことが、我々にわかるわけがないだろう」
「じゃあ何の原因なのよ、私は」
「天使だ」
 柏木さんは言って、窓から天使を見つめる。
「でも、私天使なんて見たことないって言ったでしょ?」
「言葉が足りなかったみたいですね」
 幸成君が気の毒そうに言い、
「人には想像力があります。それに記憶はあやふやで、思い出せない部分は他の記憶で補うこともあります」
 小学生とは思えない言葉。
「幸成ったらおじいちゃん子で」
 仁美ちゃんが可笑しそうに笑う。
「おじいちゃんって変わり者ね」
 言おうとしたところで、同じように笑っている柏木さんに気づく。よく見れば、幸成君と柏木さん雰囲気が似ている。
「じゃあ、私が天使の原因なのね」
 開き直ったように言ってみて、あることを思い出す。
「でも私、鈴木さんと違って、カタログなんかの商品を物体化させることしか出来ないんだけど……」
 鈴木さんは私の目の前でワンピースを取り出した。
「彼女は物体移動が出来るだけだよ。しかも、自分の部屋の中にあって在り処がはっきりしているものだけね」
 柏木さんは冷たく言い放つ。
「君はゼロからでも物を出現させることが出来るが、それが出来ないと思い込んでいる。一から創造することは難しいから仕方がないとも言えるが……」
「でも、それだったら私にはあの天使は出せないでしょ?」
「そのときは、君の言う『声』が天使のイメージ作りを手伝っていたと考えられる」
 そういうものなのか。
「では君の疑問も解けたところで、そろそろあの天使を消してくれないか」
「……は?」
 私は聞き返す。
 柏木さん、植木さんは絶望的な眼差しで、
「消すことが出来ないのか?」
「たぶん……」
 というか、消そうと思ったこと自体ない。
「そうか……」
 柏木さんは小さく頷く。
「力が消えるまでは無理か」
「消えるんですか?」
 私は驚いて尋ねる。
「さぁ……なんとも言えないが、突然始まったことは突然終わりを迎えることは良くあることだ。ずっとこの非現実的なことが続くことも十分ありえるが……」
 植木さんは言葉を濁し、ウーロン茶を一口飲んだ。
「あの、ここって『能力者の権利を勝ち取る会』とか言ってましたよね?」
 私の問いかけに、柏木さんは何でもないことのように、
「あれは鈴木君を仲間に入れるための方便だよ。『天使と魔法の因果関係を調べる会』、と言ったら良いか――特に正式名称があるわけじゃないが」
 じゃあ、第三支部ってのは間違ってないって事? なんでそんなに多くの人が魔法や天使について調べているのか私には興味も無いし、理解できない。



 話し合いは良くわからないまま終わり、私は帰途につく。すっかり夕闇が立ち込めた街は、なんだか寂しい。
 部屋に辿り着き、屋根に上がる。一服しながら夜空を見上げると、星星が光り始めている。
 妙な話を聞かされたからか、なんだかイライラして仕方ない。大きく煙を吸い込んで、吐き出す。
 羽毛にくるまれたような、暖かで柔らかな毎日。何も心配が要らず、天気も毎日穏やかで。変わらない日々が何故だか腹立たしくて。
「明日は雨になればいいのに」
 棘のある言葉を呟いた直後、
(……タカ……)
 不意に声。あの声。
(……タチノ……ワカッタ)
「何よ、何が『わかった』のよ」
 声がそれに答えることはない。
(……レテ……ガトウ……)
「え?」
 天使は淡く光り始める。祈りが終わったのか、長い睫の下の瞳を開ける。そこには澄んだ春の空色。白い翼をゆっくり広げ、ふわりと空に浮かび上がり、高く高くあがってゆく。

 突然始まったそれらの出来事は、何の説明もされず、誰も納得出来ないままにこうして終わりを告げた。
 天使が小さな点になってしまうと、
「今日は星がたくさんだ」
 私は呟き、紫煙を夜空に吐き出した。

『私の魔法』をご覧いただきありがとうございました。

■03/5/7 最初は『白き翼 黒い羽根』ってタイトルで、天使を中心に描こうと思ってたんですが、どうにも話が進まないので「私」を中心に良くわからないまま終わるような話に。途中から『ニアアンダーセブン』が頭の端をちらちらしてた辺りで、もう小説が混沌化してゆくのを止める気も起こらなくなってきてました。でもまぁ、こういう終わり方する小説好きだからいいかなぁと。

■2004/04/26 改稿。ちなみに山田幸成の能力は、先を読む(未来を見るではなく)というもので、将棋なんかで何パターンも先の手を考えるような感じかなぁ? あるたどり着き たい一つの未来にはどうやってたどり着けるか、ある出来事を起こしたい場合(今回は村木翔子との会談)、どのようにすれば行えるかということを『考える』 能力です。映画『マトリックス』の預言者と似てるかも。
山田仁美の能力は『ぺたん』ってことで、一瞬、力を抜かせる能力。目の前にいる人にしか掛けられません。
翔子の能力は山田幸成、山田仁美、植木、鈴木景子とは質が違います。本人はわかってないけれど、どう考えても彼女が最強能力かと。

■2006/06/15 改稿
■06/10/01 誤字脱字訂正
2012/01/18 訂正

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